息がしにくくなった話1
なんとなく、ずっと生きてはいけないと思っていた
私はずっと家族が嫌いだった。
最初の記憶は怒られて外に放り出されそうになったこと。
なんで怒られたかはもう覚えていないし、十数年前のことだから今とは治安も考え方も違ってた。
もちろん楽しい瞬間もあったけれど、ふとした時に「迷子にさせようと思った」「ちょっとした遊びだよ」と怖い思いをさせられたことも多かった。
楽しい記憶よりも辛い気持ちのほうが印象に残ってしまう。
自分は大切にされていないのかな、自分の気持ちは言わないほうがみんなのためなんじゃないか、
そんな風に思って自分の気持ちを言えないでいたら、素直に気持ちを伝えられる姉が親に好かれていた。
姉は成績優秀だったから特に好かれていたんだろうね。
私だって親から愛されたかった。
馬鹿な子のほうがかわいい、妹のほうが優しくされる、と姉は言っていたし、そう感じる瞬間もあったんだと思う。
私から見ると、家族の中で私だけ疎外感があった。部屋で一人こもっていた時、何も気にせず私以外の人たちが笑いあう声が聞こえた。
まだ小学生。愛がほしくて、「ねえ、ママ。家族の中でだれが一番好き?」
こんな質問答えるのは難しいと思う。
でも、私と母しかいないときだったから、忖度あってもいい。私だって言ってほしかった。
「みんな同じくらい好きだよ」
分かってたけど悲しかった。
まだ分からなかった
中学生の頃。姉が拒食症になった。水と砂糖しか受け付けなくなって親もすごく心配していた。
分からなかった。なんでつらい気持ちをみんなの前で出せるのか。
心配されるのは目に見えてるから。所詮その心配は自分が“いい人”に見られるためのものでしかないでしょう?
人に苦しさを見せて本心ではない心配されて、それでどうなるの?
結局自分の立場がめんどくさい人になるだけでしょう?
...まだ、わからなかった。